私が観たものだけについて並べています。ファンだと胸をはって言える程 観ているわけではないんです実は。 出演者などのデータに関しては IMDb を 参考にしました。 邦題についてはわかる範囲内で記述しています。情報をお寄せ頂ければ幸いです。
★による評価は独断です。特に、原作への思い入れが強いため、 映画作品として公正に評価できてはいないだろうことをお断りしておきます。
内容に触れるコメントについては
印のついたリンクの先にあります。まだ観ていない方は十分ご注意ください。
キングの作品は映像的であるとしばしば評されます。しかし、キングの映像化作品の うち、原作を読んで読者の頭に広がった映像を越えられたものはあまり無いのでは ないでしょうか (監督独自の映像を作って成功したものはいくつもありますが)。 想像の中の映像があくまで主観的なものであるのに対し、カメラを通した映像は どうしても客観性が入り込んでしまうためなのかもしれません。
で、これは音声のみの作品。ラジオドラマを聴いているみたいな感じですが、 これが良いんです。目を閉じて、ヘッドフォンからの音のみに神経を集中していると、 確かに、頭の中に霧に包まれたグロサリーストアが浮かび、そして生臭い匂いや 肌にべとつく霧の感触までが感じられてきます。ドラマ自体はわりとありがちな 演出で、ラストの処理も個人的には不満なのですが、小説でも映画でもない 独特の体験は、なかなかエキサイティングです。
なお、この作品でDavidを演じているのはWilliam Sadler、彼は映画 「ショーシャンクの空に」でHeywoodを、「グリーン・マイル」で 殺された双子の父親(Klaus Detterick) を演じています。
中でも強烈な印象を与えるのは、River Phoenixの演技。それから、 森の土の匂いや照りつける太陽の暑さ、そして夕立ちの雨の匂いまで 感じられそうなcinematography。自分の心の中にしまってある、誰にも 言えない宝物にそっと手を触れたような感覚を与えてくれる映画です。 何年もの時間を置いて、何度も観るのが良いです。
キングの作品って長いんで、映画のように2時間に収めようとすると 原作の要素のかなりの部分を削らなくちゃならない。でも、ただ ストーリーを表面的に追ったんじゃ骨抜きになってしまいます。 キング作品の映画化で成功したものは、「切り口」がはっきり しているものだと言えるでしょう。Miseryでは原作にあった残忍な部分を カットして、彼女の狂気性をBatesの演技で表すことに賭けました。 そしてそれは十分に成功しています。
で。
なるほど確かに、これは映像表現の形を借りた小説です。 各シーンの後ろにキングの文章が透けてみえるような作り方と言いましょうか。 映像的にインパクトが少ないのは、あるいは全国放送のための放送コード により制限がかかったからかもしれないが、少々物足りなかったです。 ドラマとしては丁寧に作ってあるし、 いかにもキングという雰囲気はあるので、見て損はないと思います。
原作の、老人の語り口で切れ切れに語られるエピソードで伏線を積み上げてゆく 構成は変えられ、映画のほとんどがCold Mountain刑務所Eブロックでの 話になりました。しかし、Darabont監督は原作のエッセンスを見事に取り込んだと言えます。 場所をまず作り、その上で役者に「役そのものを生きさせる」ことにより、 誰を中心とするでもなく、役者の絡みそのものによって物語の伏線をつむぎだす ことに成功しています。ドラマの作り方としては、"Shawshank〜" よりむしろ Darabont監督の習作である"Woman in the Room" に近いものがあるかもしれません。
ジェットコースターのように乗れば楽しませてくれる、という映画ではありません。 観客はじっくり腰を据えて、1930年代のアメリカに入り込んで、看守のPaul Edgecomb、 Brutus、Deanらと共に、奇跡を、運命を体験しなければならないのです。 しかし、それだけの価値のある映画であると思います。
Hicks監督の作品で際立つのは映像の美しさですが、この作品も例外ではありません。 決して押しつけがましくないのですが、緻密に組み立てられた映像は、 原作を読んで心の中に描いていたイメージを超えた、と感じました。 坂の途中の一軒家、丘の下に広がる街並み、公園の裏の雑木林の中の小川。 子供の頃、暗くなるまで遊んだ、輝いていた世界が、そこに再現されていました。 その中で、子供から大人への一歩を踏み出す主人公が、丁寧に描かれます。
ペースはややゆったりめですが、演技の間を活かした演出だと感じました。
あと特筆すべきは少女のCarol Garber役のMika Boorem。可愛いぞ。
映画の構成要素のいくつかはかなりイイ感じに惹かれるものがあります。 プロローグから山小屋までの場面とか、山小屋内でのアレとか。 Jonesyの記憶倉庫のイメージも良く作ってあるし、 少年時代の想い出のシーンも悪くない。 ただ全部くっつけると、なにかちぐはぐで中途半端に終ってしまった印象だけが 残りました。